親の住みなれたご自宅で介護をする場合、すべて自分たちの手でおこなうのは大変です。状況に応じて在宅介護サービスを利用しましょう。自宅へホームヘルパーさんに来てもらい、料理や掃除、洗濯、買い物などの身の回りの世話や、入浴、着替え、おむつ交換などの身体介護をしてもらうのが「訪問介護」です。手伝ってもらう内容はケアマネジャーとヘルパーさんとで話し合ってから決めます。
ひとり暮らしをしている高齢者にとって、ヘルパーさんが来てくれることは 日常生活の手助けとなるだけでなく、話相手としても喜ばれることが多いです。親と離れて暮らしている場合は、ぜひヘルパーさんの手を借りることを考えてみてください!
親が寝たきりなどで入浴させるのが難しい場合は「訪問入浴介護」のサービスがあります。専門スタッフが浴槽をもちこんで入浴の介助をしてくれます。入浴は身体をきれいにするだけでなく、疲れを癒してリラックスできる効果もあります。入浴介助は、後述する「デイサービス」でも受けることができるので、上手に組み合わせて入浴回数を増やしてあげたいですね。
また、自宅に専門の療法士さんに来てもらってリハビリをおこなう「訪問リハビリテーション」や、看護師さんによる「訪問看護」、薬剤師さんや管理栄養士さんによる「居宅療養管理指導」などもあります。
在宅介護サービスの中には、自宅から施設に出向いて受ける介護サービスもあります。その代表がデイサービス。日帰りで施設に通ってレクリエーションに参加したり、リハビリを受けたり、入浴や食事を提供してもらいます。
親が家に閉じこもりがちになっている場合は、ぜひデイサービスを利用していただきたいです。いろんな方と交流をすることで孤独感が解消されますし、新しい趣味を見つけられる可能性もありますよ。介護をする側にとっても、デイサービスを利用してもらうことで介護負担が軽減し、自分の時間を持つことができるのも大きいですね。
デイサービスを提供するデイサービスセンターにもいろいろあります。リハビリに力を入れているところや、教室を豊富に用意しているところ、外出企画やイベントを頻繁におこなうところなどそれぞれに特徴があるので、まずは一度見学されることをおすすめします!通所型の介護サービスには、他にも「通所リハビリテーション」や「ショートステイ」などがあります。
車いすや介護用ベッドなどの福祉用具は、介護保険サービスによって1割~3割負担でレンタルすることができます。担当のケアマネジャーに相談をしたあと、福祉用具専門相談員の方からアドバイスをもらって、適切な福祉用具を提案してもらいます。
ちなみに排泄や入浴など、他人が使用したものを繰り返し使うことに馴染まない用具については、レンタルではなく購入して利用することになります。
また、生活しやすいように自宅に手すりを付けたり、トイレを改造したりする「住宅改修」も介護保険で受けられるサービスのひとつです。自立した生活ができるよう必要に応じて利用したいですね。
自宅ではなく、施設に入所をして介護を受けるのが「施設介護」です。施設にもたくさんの種類が存在しますので、まずはインターネットを使って、自宅近くにある施設のホームページをたくさん見たり、実際に見学に行かれることをおすすめします。見学に行った際には、施設の人員体制や待ち状況などを聞いておきましょう。
どんなスタッフさんがいるのかも大事!スタッフさんたちの対応についても見ておきたいですね。ひとりひとりが明るく挨拶をしてくれるか?利用者への言葉がけがよくおこなわれているか?言葉が命令的だったりしないか?などなど、必ずチェックしていただきたいです。
施設によっては体験入居ができるところもありますので、いいなと感じた施設はぜひ利用しましょう。自分たちで探す時間が無かったり、判断が難しいなと思う場合は、担当のケアマネジャーさんに予算や希望を伝えて、最適な施設を提案してもらうのも良いと思います。いくつか代表的な施設の種類を紹介しますので、参考にしてみてください。
65歳以上の常時介護が必要な人が日常生活のケアを受けられます。有料老人ホームで必要になる入居一時金は、特別養護老人ホームでは必要ありません。公的な施設のため利用料金が低いイメージがありますが、最近では設備が充実した施設も増え、民間運営の有料老人ホームと変わらないくらいの料金のところもあります。利用料金の低いところは入居希望者が多く、数年待ちという場合もあるようです。
介護サービスが付いた高齢者向けの居住施設です。基本的に施設内の職員が介護サービスを提供してくれます。( 外部の介護事業者のサービスを受けるタイプもあります )介護度によって金額が固定になっています。
生活支援サービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要な場合は、必要な分だけ外部の介護事業者による介護サービスが受けられます。自宅と変わらない自由な生活をできるのが特徴です。
認知症の方専用の施設で、1ユニット9名で共同生活をします。入居者3名に対して1人の介護職員が配置されます。家庭的な雰囲気の中で生活をすることで「混乱」を抑え、認知症の症状を穏やかにする取り組みをおこないます。