人間はだれにでもできないことがあって、みんなそれぞれ誰かの力を借りて生きています。それは高齢者に限ったことではなく、わたしたちだってそうですよね。だから介護って特別なことではないと感じます。
介護のために仕事を犠牲にしたり、過剰な奉仕も必要ないと思います。本人ができなくなったことを周りの皆でそっとサポートしながら、いつもどおりの暮らしを続けていくこと。そして怖がることなく高齢者の最期を見届けること。それが介護のあり方ではないでしょうか。
いざ親の介護が必要になったら、まずは何を考えますか?きっと親と離れて暮らしている場合は、自分の元に親を呼び寄せるか、もしくは自分が親の地元に帰るかを考えるのではないでしょうか。でもちょっと待ってください。まずは「離れて暮らしたまま介護ができないか」を考えてみませんか?
だって親を呼び寄せる場合、親は住みなれた土地を離れて友人や知人もいないところで、新たな生活をはじめることになるわけです。それって幸せでしょうか?逆にあなたが親の地元に帰る場合、いまの仕事をどうすべきかは大きな問題だと思います。結婚していれば、パートナーの方も住みなれた土地を離れてさみしい思いをするでしょうし、子供の学校や生活にも大きく影響してきます。
一緒に暮らせばすべて解決するわけではないと思います。同居をしていても不満たっぷりな親もいるでしょうし、逆に離れて暮らしていても幸せな親はきっとたくさんいるはずです。離れて暮らす親に、日頃から電話をして様子をうかがったり、ホームヘルパーさんにお手伝いをお願いすることも立派な介護ですから。
「自分の親の面倒は自分でみる」というのが、介護の基本的な考え方だと言われていますが、だからといってなんでもかんでもひとりで抱え込むのは危険だと思います。大抵、だれかひとりが使命感に燃えて介護を過剰にがんばってしまう場合、兄弟や周りの人間は「あの人がやってくれるから・・・」と、一歩引いてしまいがちになるようです。
それにひとりではすぐに限界が来ます。要介護者よりも先に、心も身体もつぶれてしまっては困りますよね。周囲の協力を上手に得ながら、チーム体制で介護に取り組むことが大切だと考えます。
兄弟や親族、近所の人たちだけではなくて、ケアマネジャーさんやヘルパーさんなど、介護のプロフェッショナルも含めてのチームです。できる限り訪問介護や通所介護などのサービスを利用して、家族の負担を軽くすることが、介護を長続きさせるコツだと思います。
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