介護のスタイルを大きく分けると、自宅で暮らしながら介護を受ける「在宅介護」と、介護施設に入所して介護を受ける「施設介護」のふたつに分けられます。
介護を受ける方にとって、やはり住みなれた自分の家で家族に囲まれながら生活を続けたい方もいれば、家族に迷惑をかけたくないという思いで施設に入居し、プロの介護サービスを受けたいという方もいらっしゃいます。親の考えや意志を尊重しつつ、自分たちの仕事や生活スタイルのことも考慮して最適な介護スタイルを見つけたいですね。
そして大事なのは、本人にできることは本人にしてもらうことだと思います。すべてを管理するのではなく必要なときだけそっと支え、普通の生活が続けられるようサポートしていただきたいです。
在宅介護と聞くと「親と同居をして24時間付きっきりで介護をしないといけない」とか、「仕事を辞めて介護に専念しないといけない」などのイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、決してそういうことではありません。もし現在、親と離れて暮らしている場合は、まず「離れて暮らしたまま介護をする」方法について考えてみませんか?
介護=食事やトイレの世話・・・ではなく、離れたところからでも親とマメに電話で対話をして、困ったことに耳を傾けてあげることも介護のひとつです。遠方からホームヘルパーさんに親の世話をお願いすることも立派な介護です。同居さえすれば、親も子も満足いく介護生活が実現するわけではないと思います。
また同居する場合でも、仕事を続けながら在宅介護をすることは十分に可能です。親の介護度が軽い段階には、日中だけひとりで過ごしてもらう「日中独居」のスタイルも増えてきました。いずれ介護度が高くなったら、ホームヘルパーによる訪問介護サービスや、デイサービスを利用してひとりの時間を減らすなど、プロの介護サービスを上手に活用することで、働きながらの在宅介護は十分に可能なのです。
家にいながら受ける介護サービス
行って楽しむ介護サービス
身体の自由がききにくくなっても、ご自宅の環境を福祉用具(ベッドなど)や改修(手すり設置など)によって、快適に過ごしていただけるようにするサービス
ひと昔前だと「親を施設に入れるなんて・・・」という風潮もあったようですが、今では介護を受ける方自身がプロによる質の高い介護サービスを受けたくて、自ら施設入居を希望するという前向きなケースも多くなってきました。
施設介護は決して親を見捨てることではありません。状況に応じて前向きに検討してほしいと思います。介護施設には様々な種類の施設が存在しますので、ここでいくつか代表的なものを紹介します。
65歳以上の常時介護が必要な人が日常生活のケアを受けられます。有料老人ホームで必要になる入居一時金は、特別養護老人ホームでは必要ありません。公的な施設のため利用料金が低いイメージがありますが、最近では設備が充実した施設も増え、民間運営の有料老人ホームと変わらないくらいの料金のところもあります。利用料金の低いところは入居希望者が多く、数年待ちという場合もあるようです。
介護サービスが付いた高齢者向けの居住施設です。基本的に施設内の職員が介護サービスを提供してくれます。( 外部の介護事業者のサービスを受けるタイプもあります )介護度によって金額が固定になっています。
生活支援サービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要な場合は、必要な分だけ外部の介護事業者による介護サービスが受けられます。自宅と変わらない自由な生活をできるのが特徴です。
認知症の方専用の施設で、1ユニット9名で共同生活をします。入居者3名に対して1人の介護職員が配置されます。家庭的な雰囲気の中で生活をすることで「混乱」を抑え、認知症の症状を穏やかにする取り組みをおこないます。