認知症は、急速な脳の機能低下により起こるもので、単なる加齢による物忘れとは違います。体験したことの全て、例えば食事の内容ではなく食事をしたこと自体を忘れてしまう「記憶障害」、時間や場所を忘れてしまう「見当識障害」、物の名前が出てこない「失語」などさまざまな症状が現れます。
認知症の人は、脳の機能は低下しても、人としての自信と誇りは持っていますし感情も豊かです。
何度も同じことを話したり、物を盗まれたと言って騒いだりする場合も、自尊心を傷つけないように話の内容を否定せず受け入れることが大切です。
また、徘徊や失禁、不潔行為などがみられる場合は、叱ったり、やめたりするように説得すると反発して逆効果となることもあります。
普段からなじみの顔や場所、懐かしい物に囲まれた空間など、本人にとって安心できる環境を整えると、落ち着いてその人らしい生活ができると言われています。
☆介護を抱え込まないために
認知症の人を介護する家族の精神的・身体的な負担は非常に大きいものです。「がんばる人」ほど介護の負担を抱え込み、心身ともに疲れ果ててしまうことが少なくありません。
家族や近所の人をはじめ、ケアマネジャーや地域包括支援センター、かかりつけ医など相談できる人をつくり、協力を得ましょう。
介護サービスを利用し、抱え込み過ぎず、頑張り過ぎないようにしましょう。